合併症について

透析を長く行っていますと、さまざまな症状(合併症)がでてくる場合があります。
その代表的な合併症について解説します。

貧血

貧血腎臓が悪くなると、血液をつくるエリスロポエチンの産生が減り、自分の体で血液をつくりにくくなり、貧血(ヘマトクリット値の低下、血色素の低下)になります。その場合には、遺伝子組み換えエリスロポエチン製剤を透析終了時に血液回路をとおして体内へ注入し、貧血を改善させます。鉄が不足して貧血になっている場合は、鉄剤と遺伝子組み換えエリスロポエチン製剤を併用し治療します。

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高血圧

高血圧心不全の原因による場合が多く、降圧剤と除水やドライウェイト(DW)の調整で治療しますが、水分と塩分の摂取量に特に気をつけて下さい。 体に余分な水分が溜まった状態になっている慢性腎不全において、透析により水分を除きますが、透析終了後の余分な水分がない状態の体重をドライウェイト(DW)といいます。ドライウェイト(DW)はむくみや、血圧、心臓の大きさなどを参考にして決定しますが、患者さんの状態により見直していく必要があります。

低血圧

透析を続けていると、高血圧の患者さんでも血圧が下がってくることがあります。血圧が低すぎると、透析を行う事は勿論、普段の生活にも支障がでます。このような場合は、ドライウェイト(DW)を見直したり、体重増加をできるだけ減らし、透析中の除水量を低下させたり、血圧を上げる昇圧剤を飲んだりします。

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心不全

心不全慢性腎不全になると、水分や塩分が体にたまり、同時に血圧も上がります。つまり、高血圧や体に水がたまった状態は心臓に負担をかける事になります。貧血が悪化することも心臓に負担をかけます。この様な状態が長く続くと心臓の働きが低下し、心不全に陥ります。

かゆみ

かゆみ透析患者さんの多くで、かゆみがみられます。原因は明らかでありませんが、皮膚が乾燥したり、皮膚にカルシウムがたまったり、二次性副甲状腺機能亢進症などが考えられています。皮膚の湿潤やCa(カルシウム)、P(リン)を正常に保つなどを心がけて下さい。

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透析アミロイド症

透析アルミロイド症腎臓で分解・排泄されるβ2-ミクログロブリンは、腎臓が悪くなると体内に蓄積します。 透析を長く行っていると、主にβ2-ミクログロブリンからアミロイドと呼ばれる物質が生じ、骨、関節、腸など全身に沈着していく傾向があります。指や手、手首などの痛みやしびれ、握力が低下する手根管症候群や手足のしびれ、運動障害などの破壊性脊椎関節症が代表的症状です。 対策としてβ2-ミクログロブリンを除きやすいハイパフォーマンス膜の使用、β2-ミクログロブリンを吸着するカラムを用いたり、血液濾過透析(HDF)を行ったりします。

二次性副甲状腺機能亢進症

二次性副甲状腺機能亢進症腎臓が悪くなると血中のCa(カルシウム)が低下し、P(リン)も排泄されなくなるため副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、二次性副甲状腺機能亢進症となります。骨がもろくなる、関節が痛むなど多くの症状がでてきます。 活性型ビタミンD3製剤、リン吸着薬の使用、パルス療法や低カルシウム濃度の透析液を用いたりして、Ca(カルシウム)とP(リン)をできるだけ正常域に保ちます。

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