自動化機能を装備した透析用監視装置への熱交換器装着による節電効果の検討

目的

透析装置の自動化に伴い、プライミング、補液、返血などの工程は、省力化、安全性の向上がみられる一方で、逆濾過により多くの透析液を使用する。透析液は、適正温度までヒーターで加温した後に使用されるため、透析用監視装置(以下、コンソール)のヒーターは、従来工程よりも多くの消費電力を必要とする。第22回本会において、コンソールへ熱交換器を装着することによりヒーター消費電力の削減が可能なことを報告した。今回、逆濾過透析液を使用したプライミングおよび返血、間歇補液HDF(以下、I-HDF)において、コンソールの熱交換器装着による節電効果を検討したので報告する。

方法

逆濾過透析液による持お堂化機能を装備するTR-3000MA(東レ・メディカル)2台を対象とし、1台に熱交換器(東レ・メディカル)を装着して、プライミング、I-HDF、返血工程におけるコンソールヒーターの消費電力を電力測定器(HIOKIクランプオンパワーハイテスタ3169)を用いて測定した。透析液量は、プライミング使用量1950mL、返血使用量350mLとし、I-HDFは4時間、補液量1300mL(100mL/15min)、透析液設定温度36.5℃、透析液流量500mL/minとした。

結果

熱交換器装着のコンソールヒーター消費電力は、プライミング工程0.0726kWh、I-HDF工程0.4732kWh、返血工程0.0081kWh、合計0.5539kWhで、熱交換器未装着のコンソールヒーター消費電力は、プライミング工程0.1093kWh、I-HDF工程0.7818kWh、返血工程0.9036kWh、合計0.9036kWhであった。

考察

熱交換器装着により、プライミング工程33.5%、I-HDF工程39.5%、返血工程35.2%、全行程で38.7%のヒーター消費電力を削減することが可能であった。熱交換器は、透析液の熱を利用して、供給液を加温する構造であり、準備段階であるプライミング工程では、稼働当初の透析排液が十分に加温されていないことで、熱交換の効率が悪く、他工程より消費電力の削減割合は低値を示したと考えられる。熱交換器による消費電力の削減割合は、HD、I-HDFともに3割から4割程度であり、透析液流量を高流量に設定するオンラインHDFでは、さらに大幅な消費電力の削減が可能であると推定される。

結語

逆濾過透析液による自動化機能を装備したコンソールへの熱交換器装着は、治療中以外の工程においてもヒーター消費電力の削減が可能であり、3割から4割程度の節電効果が期待できる。