透析装置および医療材料の安全対策

高度化する現代の医療は、最新の医療機器に支えられて成り立っているといっても過言ではない。そのため、これらの医療機器を操作・保守管理する臨床工学技士に課せられている責務は重要である。医療機器は、常に正常に動作することが必須であり、不測の事態を発生させてはならないものである。
医療機器の中でも生命維持管理装置は装置単体で稼働するものではなく、種々の装置や医療材との組み合わせで治療を行う装置であるため、個々の安全性は担保されていても、組み合わせや操作方法によっては、安全性の面ではまだまだ問題があると考えられる。
特に、血液透析用の装置では、医療機器ではない水処理装置により作成された処理水を用いて、医療機器ではないA・B末溶解装置によって透析原液が作成される。この処理水と透析原液を混合する多人数用透析液供給装置を用いて透析液を作成し、ベッドサイドに設置された透析用監視装置に送液される。透析用監視装置では透析治療を行うために透析用血液回路、ダイアライザ等を接続・準備し治療を行っている。このように多種類の機器や物品の組み合わせが必要であり、個々の安全性に優れていても、組み合わせることによる危険性の排除は簡単ではない。また、透析治療は、同一空間の中で数人の医療従事者によって30〜50人の透析患者の治療を同時に行う特殊な治療であり、ヒューマンエラーの発生する確率が高くなると考えられる。
本発表では、透析装置、透析用血液回路の安全に関する(公社)日本臨床工学技士会透析装置安全委員会の取り組みについて述べる。

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