透析液供給温度温度の変更および、熱交換器の使用による節電対策の検討

目的

東日本大震災による電力不足の影響により、計画停電に伴う透析開始時間の大幅な変更や、節電対策を余儀なくされた。今回、多人数用透析液供給装置及び、透析用監視装置それぞれのヒーター消費電力(以下、消費電力)に着目し、節電対策として有効な手段について検討したので報告する。

方法

消費電力測定期間は、6月21日〜7月11日までの3週間。東レ社製多人数用透析液供給装置TC-B(以下TC-B)、東レ社製透析用患者監視装置TR-3000M(以下コンソール)、および同機に外付けの熱交換器を装着した3台について、TC-B設定温度を25℃、30℃、35℃と設定して送液した際の、消費電力を測定した。電力測定器には、HIOKI社製クランプオンパワーハイテスタ3169を2台使用し、TC-B、コンソールのヒーター回線へ接続した。

結果

TC-B、コンソール共に、設定温度到達までヒーターで加温する温度の上昇とともに、消費電力も上昇した。コンソールの熱交換器装着有無での消費電力は、4割から5割程度の差があり、TC-Bからの送液温度が低いほど消費電力の差が大きくなった。TC-B設定温度の変更での、TC-B、コンソール2つの消費電力の合計は、測定中の原水温の変動から、TC-B設定温度毎の加温する温度に違いがあり、単純に比較できなかった。そのため、消費電力の合計を必要加温量で割ったもので、TC-B設定温度毎のTC-Bとコンソール2つで、1℃加温するために要した消費電力を比較したところ、差はわずかであったが、30設定に対して35℃設定で有意に高値を示した。

考察

コンソールは熱交換器装着により、消費電力を4割から5割程度削減可能であり、TC-Bからの送液温度が低いほど消費電力の削減に有効であることが推察された。高い送液温度(TC-B設定温度35℃)では、TC-Bタンク内や配管内で送液温度の熱損失があると思われ、今回若干の消費電力増加につながったと考えられた。

結語

コンソールの熱交換器装着は、節電対策に有用なものであった。また、TC-B設定温度変更は、節電対策につながる可能性が示唆された。今回示した検討は、6月下旬から7月上旬の夏場ものであり、外気温、原水温の低下する冬場は、今回とは違った結果が得られる可能性があり検討次第報告する。また、夏場と冬場の比較を行い、年間を通した傾向を把握して、節電対策につなげたい。

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