透析装置の警報器設置に関する提案と実装

背景・目的

医療機器の警報音は国際電気標準(IEC60601-2-16)で規定され、透析装置の警報音もこれに準拠している。しかし、透析室に数十台の装置が設置される今般の運用状況では警報音が壁等に反響し、警報を発している装置(音源)の特定が聴覚のみでは困難な場合がある。そこで、第50回透析医学会「透析装置の警報音に関する研究」では、透析装置の警報器を背面から前面に移設することで、警報音の指向性および音源判別の精度の向上に有用であると報告した。今回我々は、実際の有用性について検討を加えたので報告する。

方法

当院透析装置TR-2000MV及びTR-2000S計35台について、当院スタッフによるアンケート調査を実施した。

結果及び考察

全体的な評価においては、背面時で平均2.7に対し、前面時は平均3.9と有意に向上した。警報音の指向性は透析装置の配置位置や透析室の建築構造等に影響を受け易いものの、警報器の位置を前面に変更することで音源の特定し易さは向上した。それにより以前のように音源とは異なる方向へ向かうスタッフの数も減少し、迅速な患者対応に?がった。現在の警報器の位置は耐水性等の問題もあり、迅速な音源の特定には列やグループによって周波数や警報音の変更、視覚的な工夫も必要であると思われた。

結語

警報器を前面に設置することは音源特定に有効であり、透析装置の安全対策上考慮されるべき問題である。また、透析室以外の集中治療室等においては、更に多種多様な医療機器が使用されており、この分野において本研究は有用であり、今後の課題であると思われました。

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