血液透析管理システム(DIMCS)による遠距離ネットワークメンテナンスシステムの構築(1992年)

  • 透析室における一元管理システムの試み
目的

透析医療の現場では、多種多様な情報が発生している。それらを一元管理し、精度の高い情報処理を行うにはデータベースの構築が必要不可欠である。そこで透析医療の核となる透析中に発生するデータを処理・構築する為、東レメディカル社製人工透析管理システム(DIMCS:Dialysis Machine Control System)を導入したので報告する。

方法

ホストコンピュータには、将来の拡張性と異機種間の接続を考慮しUNIXマシーン(NEWS-3870)を使用し、イーサネットと光ファイバにてシステムを構成した。コンソールからのデータ(静脈圧、透析液圧、除水速度、除水量、透析液流量、透析液温度、透析液濃度、ヘパリン量、血液ポンプ流量)をリアルタイムで集積し、患者ごとに設定されている透析条件から逸脱した場合にコンピュータ側で警報を出力し、同時にトラブルシューティングも表示させた。データは10分毎に、また、警報記録、血圧、脈拍は随時データベースに集積した。

結果

データベースを構築して本稼動した過去3ヶ月において、透析回数516回のうち警報件数は7755件であった。最も多かった患者は透析回数40回中843件、最も少ない患者は24回中255件であり、その差は1.98倍であった。透析中に比較的多く、しかも患者に直接影響がおよぶ警報の一つは静脈圧警報であるが、これは2223件(静脈圧変動警報1907件、静脈圧異常警報316件であった。

考察

警報の原因には、患者と監視装置によるものと2通りあるが、患者のシャントトラブルや血圧低下による血流流量低下、また、急激な体動による静脈圧異常など、患者によるものが大半であった。また、トラブルシューティングの表示により、機械に不慣れなスタッフにも使用可能であり、臨床工学技士のいない施設においても十分な利用が期待できる。データベースを構築してもスタッフが自由に利用できない事ほど不幸な事は無いが、本システムにおいては日本語UNIFYを使用しているためSQL(データベース問い合わせ用語)によって十分可能である。

結論

DIMCSを使用してデータベースを構築する事により、透析療中に発生する多種多様な情報を一元管理する事が出来た。

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